ちぐうはぐう (1/13)

脚本ちょい読み企画とは!!

6月3日より上演予定の脚本前半部分を、
公式ホームページで毎日1ページずつ
【先読み公開】していきます!

本編をより楽しみたい、
先にどんな話か気になる方は
ぜひご覧下さいませ。

本日〜6月2日の13日間、
毎日更新してまいります。

この先ネタバレ注意!


藤一色 第九色公演
『ちぐうはぐう』

作・遠藤遥風
 

登場人物
 
遠澤(男)
松屋(女)


場所は、王子スタジオ。マスクをした遠澤が雑巾がけや椅子の消毒をしている。

松屋が入ってくる。松屋はマスクをしていない。

松屋「おはようございます。」

遠澤「おはようございます。」

松屋「雑巾がけもしてるんですか。」

遠澤「あー、うん。ま、最初に来てるし。」

松屋「じゃ、ちょっと先着替えちゃいます。」

遠澤「あ、先に消毒。」

松屋「え。」

遠澤「そこので。」

松屋「あ、はい。」

松屋、消毒し、着替えにトイレに行く。

遠澤、去っていった方を見て、マスクを触り、消毒の続きをする。

松屋が戻ってくる。

遠澤「だいたい終わっちゃった。」

松屋「すみません。」

遠澤「大丈夫大丈夫。」

松屋「あー遠澤さん。台本って、どんな感じですか。」

遠澤「…脚本家の定義ってなんだろうね。」

松屋「定義ですか。」

遠澤「どれくらいの頻度で書けば脚本家なんだろうね。
一年に一本、半年に一本、一か月に一本、一週間に一本、それとも十年で一本、一生に一本。
もしくは、収入の全てが脚本のみにならなければ、脚本家と名乗ってはいけない、とかね。それも一理ある。
でもね、そんな、些細なことではない。自分が脚本家を名乗るか、どうか。じゃない?」

松屋「書けてないんですか。」

遠澤「…そういう話とちょっと違うんだよな。」


続きは
明日5月22日(土)更新!