ちぐうはぐう (2/13)

脚本ちょい読み企画とは!!

6月3日より上演予定の脚本前半部分を、
公式ホームページで毎日1ページずつ
【先読み公開】していきます!

本編をより楽しみたい、
先にどんな話か気になる方は
ぜひご覧下さいませ。

6月2日までの13日間、
毎日更新してまいります。

この先ネタバレ注意!


藤一色 第九色公演
『ちぐうはぐう』

作・遠藤遥風
 

登場人物
 
遠澤(男)
松屋(女)


松屋「途中でいいんで見せてくれますか。」

遠澤「途中、とは。」

松屋「途中です。」

遠澤「それはちょっと、どうだろうね。
例えば、お腹の中の赤ちゃんがまだ育ち切っていないのに取り出すみたいなものでさ。」

松屋「エコー検査とかもあるじゃないですか。見るだけなんで。」

遠澤「…。」

松屋「あと、その例え、あんま使わない方がいいですよ。特に女性には。」

遠澤「うん、そだね。」

松屋「全然書けてないんですか。」


 
遠澤、プレゼント(サプライズ)を取り出す。


 
松屋「遠澤さん。」

遠澤「はいっ。」

松屋「…これ、台本。」

遠澤「出来てます!」

松屋「どこまで。」

遠澤「最後まで書ききってない台本を、台本って、言うのかな。」

松屋「いきってますね。」

遠澤「いきるよ。台本上がったからね。今、全能感に満ち溢れてる。」

松屋「なんだ。もう。やめてくださいよ。騙された。」

遠澤「へへ。」

松屋「ちょっと強く言ってすみません。」

遠澤「ままま。不安になるのもわかる。開いてみ。」

松屋「読んでいいですか。」

遠澤「もちろん。」

松屋「あ、グループラインには。」

遠澤「あー。まずね、松屋に読んでもらいたいなって。」

松屋「私に?…何これ《誕生日、おめでとう》」

遠澤「イッツサプライズ。」

松屋「サプライズ。」

遠澤「日頃の感謝を手紙にしてみました。」

松屋「…台本は。」

遠澤「出来てないね。」

松屋「…。どういうことですか。」


続きは
明日5月23日(日)更新!