ちぐうはぐう (5/13)

脚本ちょい読み企画とは!!

6月3日より上演予定の脚本前半部分を、
公式ホームページで毎日1ページずつ
【先読み公開】していきます!

本編をより楽しみたい、
先にどんな話か気になる方は
ぜひご覧下さいませ。

6月2日までの13日間、
毎日更新してまいります。

この先ネタバレ注意!


藤一色 第九色公演
『ちぐうはぐう』

作・遠藤遥風
 

登場人物
 
遠澤(男)
松屋(女)


遠澤「そっちはどうなの。」

松屋「んー。ごめんなさい。めっちゃ、ラブラブです。」

遠澤「謝ると逆に失礼じゃない?え、そうなの?別れたとか昨日言ってなかった?」

松屋「何言ってるんですか、まだ、二週間ですよ。」

遠澤「おい、最高記録じゃん。」

松屋「へへ。でも結婚は考えてないって言われました」

遠澤「あ、そう。え、なんで。ん?っていうか付き合って二週間で結婚関係の話する?」

松屋「付きあうまでのお試し期間が長かったんですよ。中学からの幼馴染なんで。」

遠澤「幼馴染を通して付き合ってるのに、結婚考えてないとか言われるの。」

松屋「まぁ、ちょっと変わりものなんですよね。」

遠澤「自分が。」

松屋「彼がですよ。でも未来のことなんてわからないじゃないですか。だから、変えていこうかなって。」

遠澤「かっけェな。」

松屋「結婚が女性の幸せではない。って世の中じゃないですか。でも結婚が幸せのひとつでもあると思うんですよね。」

遠澤「まぁ、何が幸せかなんて人それぞれって便利な言葉がはびこってるからねぇ。」

松屋「そう、私は結婚したいんですよねぇ。養われて自分にちょうどいい環境の中で演劇して、それで、十年後には旦那の年収超えてるってのが計画です。」

遠澤「やばいわぁ。ちょっとコメントしづらいねぇ。それが無理だったら、どうすんの。」

松屋「その時はその時です。」

遠澤「便利な言葉ばっか使ってると思考能力劣化するよ。」

松屋「へへ。」

遠澤「怖いなぁ。でも別れてないならよかった。めっちゃ機嫌悪いかなーって怯えてた。あれ、何の話だっけ。」

松屋「両親が別れたって話。」

遠澤「あー、そっかそっか。」

松屋「忘れちゃ駄目な系ですよ。」

遠澤「ま、もう前に言ってた以上の話もないし。」

松屋「前に?」

遠澤「いやさ、こっちにプライベートは持ち込みたくないんだけど。ちょっと一人で抱えてると、ね。」

松屋「でも、そんな精神状態でよく台本書けましたね。」

遠澤「俺、追い込まれたりすると、めっちゃ書けるんだよ。こう、ピンチであればあるほど感覚が冴えわたるって言うか。」


続きは
明日5月26日(水)更新!