ちぐうはぐう (7/13)

脚本ちょい読み企画とは!!

6月3日より上演予定の脚本前半部分を、
公式ホームページで毎日1ページずつ
【先読み公開】していきます!

本編をより楽しみたい、
先にどんな話か気になる方は
ぜひご覧下さいませ。

6月2日までの13日間、
毎日更新してまいります。

この先ネタバレ注意!


藤一色 第九色公演
『ちぐうはぐう』

作・遠藤遥風
 

登場人物
 
遠澤(男)
松屋(女)


遠澤「じゃないじゃない。今、コロナだよね。」

松屋「そう、なんですか。お酒のブーム的な。」

遠澤「いや、だから、コラ。第三者がいないのにボケとかやってももったいないじゃん。」

松屋「いや、ボケは遠澤さんじゃないですか。」

遠澤「ちょっと一回流すわ。コロナウイルス。」

松屋「コロナウイルス。え、ニュースとかでやってました。」

遠澤「んふん?どゆこと。」

松屋「え、なんですか。」

遠澤「頭打った。」

松屋「遠澤さんがですか。」

遠澤「いやいやバカバカ。真面目に。会議でもしたじゃない。ちゃんと稽古場からしっかりやっていこうって。」

松屋「会議ってなんですか。」

遠澤「もしかして疲れてる?ごめんね、調子悪いのにサプライズとかでかき回しちゃった。ちょっと一応体温計っていい?」

松屋「え。なんですか、しかも本格的。遠澤さんこそ、大丈夫なんですか。台本の疲れとか。」

遠澤「俺が?逆に。うん。」

松屋「何かあるなら言ってもらえれば。」

遠澤「あ、う、うん。だから、言ってるんだけど。」

松屋「どゆことですか?」

遠澤「逆にどゆこと。」

松屋「このやりとり何回するんですか。」

遠澤「おうん。劇団会議の内容は覚えてる、よね。」

松屋「何で私が参加するんですか。」

遠澤「劇、団、員だ、から?」

松屋「私、劇団員扱いなんですか。」

遠澤「そこから。え、もしかして、辞めた。俺聞いてないよ。」

松屋「まだ入ってもいないですよ。」

遠澤「あれ、なんだこれ。去年の2月からずっと話してたじゃん。」

松屋「去年の2月って、まだ出会ってもないじゃないですか。」

遠澤「いやいや、それはちょっと冗談のクオリティが雑過ぎる。」

松屋「冗談ってなんですか。」

遠澤「本当に頭とか打ってない。」

松屋「打ってないですよ。」

遠澤「あー、打ってたとしたら、打ってたことすらも忘れてて気づかないこともあるか。ちょっと救急車呼ぼうか。」


続きは
明日5月28日(金)更新!